2012年2月13日月曜日

永田町首相官邸から港区泉ガーデン
















東京メトロ千代田線の国会議事堂前で降りて首相官邸・公邸を一周する。都心環状線沿いから見ると、高い塀に囲まれていて、煉瓦造りの公邸が少し覗く程度。正面から議員会館との間の坂道沿いに出ると、竹が植えられていてこちらは和風テイスト。入口や道路の交差するところ、裏口や地下鉄の出入り口など警備が物々しい。官邸前の内閣府と隣の衆議院第一議員会館では新庁舎の建築工事が始まっている。溜池山王駅前にはザ・キャピトルホテル東急と山王パークタワーが官邸を見下ろす形で建っている。

「溜池」とは、その名のとおり、江戸時代に人が水を溜めてつくった貯水用の池がこの地にあったことに由来する名前。当時の溜池は、水質もよく風景も美しく、浮世絵などによく描かれた。蓮を植えてその花を鑑賞し、蓮根を採取したともいう。やがて明治8年より埋め立てが始まり明治44年に完成。赤坂溜池町(現在の赤坂一・二丁目の各一部)という町名もできるが、現在は駅名や官邸下の交差点名に名前が残るのみだということ。

六本木通りを六本木の方向に進む。右手に赤坂ツインタワー、左手にはアークヒルズが聳える。アークヒルズは高層のオフィスビル、ホテル、集合住宅、サントリーホール、テレビ朝日などから構成される複合施設として1986年(昭和61年)に完成した。開発・運営は森ビルによるもので、当時の民間による都市再開発事業としては最大級の規模だった。もう25年以上たち、周辺の六本木ヒルズや東京ミッドタウン、赤坂サカスなどに比べると、古い印象は否めない。

アークヒルズを過ぎると東京メトロ南北線の六本木一丁目駅直結の『泉ガーデン』という複合都市空間がある。2002年完成のこちらも高層のオフィス、ホテル、ショップ&レストランの他に集合住宅や美術館がある。「尾根道」と呼ばれる道路と、谷側の都心環状線に挟まれた範囲に位置しているため、周囲の地形を活かし屋外のエスカレーターや階段を上った先に庭園や美術館『住友コレクション泉屋博古館分館』を配し、名前の通りの静かな街並みを形成している。

※東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto1.html
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photo ; 宇都宮 保 
文;長谷川 京子

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