2012年2月17日金曜日

港区元麻布 暗闇坂から宮村児童遊園







麻布十番大通りから暗闇坂を上って元麻布界隈を歩く。麻布十番温泉のある交差点から一本松坂方面へ抜ける急な坂道。暗闇坂の標識には“樹木が暗い程おい茂った坂。以前の宮村(町)を通るため宮村坂ともいった”とある。今でも坂の右手の高台は、鬱蒼とした感じが残っている。

狭い一方通行路だが交通量は非常に多い。抜け道になっているらしく、タクシーなどがひっきりなしに通る。坂下のゲームソフト店は地元の男の子たちに人気のようだ。坂の中腹左側にはオーストリア大使館がある。坂道は途中から大きく左にカーブしていて、上り切ると暗闇坂、大黒坂、狸坂、一本松坂の合流地点になっている。

一本松坂方面には不思議な形をしたマンション「元麻布ヒルズ」が聳えている。2002年に森ビルが開発した地上29階建ての高級分譲賃貸タワーマンションで、メインゲートには桜並木、29階には住民専用のルーフガーデン、28階にはスカイラウンジ、地下2階には住民専用のワインセラーがあるという。また西町インターナショナルスクールの幼稚園も併設していて、高級感が漂っている。

正面の路地を入って行くと「西町インターナショナルスクール」があり、その敷地内に90年の歴史を誇る松方ハウスが建ってる。松方ハウスは西町インターナショナルスクールの創立者・松方種子の両親、松方正熊・美代が当時麻布西町と呼ばれていたこの土地に建築したもの。空襲で焼け残ったこの邸宅で、米国留学から帰国した松方種子が自主性、主体性を重んじ、国際人を育てる教育をやりたいと、わずか4人の日本人生徒からスタートさせたという。現在は国籍数25か国、在籍生徒数400名以上のインターナショナルスクールになっている。

路地を進んで坂道を下りて行くと、谷間のような窪地一帯に、時間の流れに忘れ去られたかのような家並みがあった。もともと本光寺というお寺の地所で、戦前からの借地に建っているということらしいが、大使館や邸宅、高級マンション、麻布高校などに囲まれ、六本木ヒルズを見ながら、ひっそりと肩を寄せ合っているという印象だ。宮村児童遊園という小さな公園があった。

※東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto1.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto2.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto3.html

photo ; 宇都宮 保 
文;長谷川 京子

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