2012年7月25日水曜日

上野不忍池 開花を始めた蓮(撮影 ; 2012.7.22)

◎TOKYO PHOTO  ; SHINOBAZUNOIKE 22.7 2012








上野不忍池の蓮の花があちこちで開花を始めている。池之端の交差点から入った水上音楽堂の前あたりの開花が一番早い。多くの人がカメラを構え、また座って絵を描いている人もいる。透けるような大輪のピンクの花びらが凛として美しい。開花して4日目には散り始めるという蓮の花のはかなさも美しさを際立たせている。

この蓮の花は、清らかな水でなくよどんだ泥沼のようなところに大輪の花を咲かせる。泥水が濃ければ濃いほど美しく咲くという。仏教では、蓮の花が古くから大切にされてきた。仏具にも蓮華がたくさんある。泥水の中から生じ清浄な美しい花を咲かせる姿が仏の智慧や慈悲の象徴とされ、また死後に極楽浄土に往生し同じ蓮花の上に生まれ変わって身を託すとの仏教の教えが「一蓮托生」の語源になっている。

昨日テレビで、茨城の蓮畑でのレンコン収穫中継をやっていた。現在は食用と観賞用とに品種が分かれていて、観賞用のハスはレンコンが大きくならず食用には向かない。昔は食用、観賞用の区別はなかったということだから、不忍池の蓮はどうかというと、掘り起こしや再植付け等の管理作業が行われていないため、地下茎が過密となり細いものが多く食用には適さなくなったということだろう。江戸時代には、不忍池で穫れたレンコンの初ものを将軍に献上していたと言われている。

蓮は根っこの蓮根だけでなく実も食用になる。秋になると実を採集し乾燥させて利用する。古来より健康食品として珍重されていて、薬膳スープや中華ちまき、甘露煮などにして食べると美味しいとのこと。花の見頃は今週から来週というところだろう。

※東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto1.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto2.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto3.html

photo ; Utsunomiya Tamotsu
text;Hasegawa Kyoko

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