2012年7月11日水曜日

根岸の里 根岸から下谷(台東区)

◎TOKYO PHOTO  ; NEGISHI NO SATO 4.7 2012











尾久橋通り沿いの根岸2丁目から根岸小学校前に出る。お風呂屋さんや蔦の絡まる古い喫茶店や創業320年の豆腐料理の専門店・笹乃雪前を通る。笹乃雪の入口には正岡子規の直筆の句碑「あさがおに あさ商ひす 笹の雪」「水無月や 根岸涼しき 笹の雪」がある。

「笹乃雪」の店名は、上野の宮様と呼ばれた111代後西天皇の親王が名づけた。豆富をことのほか好み「笹の上に積もりし雪の如き美しさよ」と賞賛したとのこと。当時の製法そのままに、井戸水とにがりを使用した昔ながらの豆富の味を伝えている。赤穂浪士にも縁がある。元禄15年12月14日の討ち入りの際に、主君の仇討ちを果たした浪士たちのうち、大石内蔵助以下17人が預けられた細川様のお屋敷に、笹乃雪の豆富が届けられたとのこと。また、正岡子規や夏目漱石など文豪にも愛された。笹乃雪では豆腐のことを「豆富」と書く。9代目当主が料理店に「腐る」という字はふさわしくないという理由で「豆富」と記すようになったという。

根岸小学校前の歩道橋を渡って根岸3丁目の路地に入る。この界隈の路地も趣がある。円光寺前や子どもたちが賑やかに遊ぶ防災広場を通って4丁目へ、さらに金杉通りを通って下谷に。金杉は江戸時代以前からあった地名で、昔はこの街道を奥州街道裏道と言った。奥州裏街道沿いに金杉上、下町が出来てこの町並の裏側は田畑だったという。通り沿いは土蔵づくりの家が数多くあったとのことだが、今はマンションが建ち並び、わずがに数軒の昔ながらの家がのこっている。

※東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto1.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto2.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto3.html

photo ; Utsunomiya Tamotsu
text;Hasegawa Kyoko

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