2012年12月14日金曜日

樋口一葉記念館と台東区竜泉(1)

◎TOKYO PHOTO HIGUCHIICHIYO MEMORIAL HALL ; 13.12.2012







◎text
文京区本郷の菊坂にある樋口一葉旧居跡を訪れた後日、一葉が次に暮らした台東区竜泉に行った。根岸の金杉通り、下谷、昭和通りを過ぎると竜泉一丁目、二丁目。先の国際通りを越えて竜泉三丁目に入る。台東竜泉郵便局のある信号の手前の歩道沿いに一葉旧居跡の石碑が立っている。信号の次の角を左手に進むと樋口一葉記念館。入口の前の小さな公園には、「一葉女史たけくらべ記念碑」が一葉の旧友であった佐々木信綱の歌とともに刻まれている。

一葉記念館は1961年(昭和36年)に開館したが、当時、女流作家の単独資料館としてはわが国で初めてのものだったという。その後40年余りを経て、老朽化が進んだことや樋口一葉が新五千円札の肖像に採用されたことを機に、平成18年11月にリニューアルオープンした。1階には龍泉寺町の街並みを再現したエントランスギャラリー、案内版や一葉の年表、ライブラリー、グッズ売り場などがあり、2階部分に2つ、3階部分に1つの展示室がある。1階のみ撮影はOKとのことで撮らせてもらった。

一葉の小説の直筆原稿用紙や手紙なども多く展示されていて、展示の説明書きも丁寧。じっくり見てまわることが出来る充実した記念館だ。一葉の小説は擬古文体と呼ばれる文語体で書かれているため、なじみにくく「たけくらべ」「にごりえ」くらいしか手にしたことはなかった。しかし年表をみると、東京朝日新聞小説記者の半井桃水に師事し、図書館に通い詰めながら書いた処女小説「闇桜」を20歳の時発表したのを皮切りに、24歳と6ヶ月で死去するまでの期間に旺盛な執筆活動を展開したことがわかる。

特に一葉が小説家として最も輝きを放ったのは「奇蹟の14ケ月」と呼ばれる期間だ。1894年(明治27年)12月に「大つごもり」を『文学界』に、翌1895年(明治28年)には、1月から「たけくらべ」を7回にわたり発表し、その合間に「ゆく雲」「うつせみ」「にごりえ」「十三夜」「この子」「わかれ道」「裏紫」(1896年2月)などを発表した。

◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
http://photos-of-tokyo.blogspot.jp/

◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto1.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto2.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto3.html

photo ; Utsunomiya Tamotsu
text;Hasegawa Kyoko

0 件のコメント:

コメントを投稿