2014年10月1日水曜日

東京藝大美術館にて、二つの美術展

東京藝大美術館で「平櫛田中コレクションーつくる・みる・あつめるー」展、「台灣の近代美術ー留学生たちの青春群像(1895-1945)」展が同時開催中とのことで出かけた。

平櫛田中(ひらくしでんちゅう)は、1872年(明治5年)岡山県井原市生まれの彫刻家。岡倉天心を師と仰ぎ、東京藝大構内の六角堂の「岡倉天心像」を制作。また、谷中の岡倉天心記念公園の六角堂内の天心坐像も田中の作品。長く東京美術学校(現・東京藝術大学)の教授を務めた。

「一休行乞」「源頼朝像」「三井高福像」「平安老母」「燈下萬葉(良寛和尚)」など、昭和十年代に造られた田中の作品が並ぶ。木彫りでひとつひとつが意外と小さい。人物が皆やせ細っている様子が年代を感じるが、見ていると作品から緊張感が伝わってくる。真ん中でひときわ目を引くのが、歌舞伎役者六代目尾上菊五郎の「鏡獅子」の彫像。隈取りだけの裸像作品には迫力がある。

案内のポスターやチラシは、橋本平八作「或日の少女」。祈っている少女、木の質感、色合いなどしみじみいい作品だと思った。

台灣の近代美術は、1910年代の半ばから1930年代の終わりにかけて東京美術学校(現・東京藝術大学)に留学し、1945年以前に卒業した台湾人留学生14名の作品が展示されている。

1895年に日清戦争が終結し、日清講和条約によって台湾は日本に併合された。1945年の第二次世界大戦終結までの50年間ものあいだ、事実上日本の支配が続いていた。そんな時代に日本にやってきた若い留学生たち。自画像には自分と真剣に向き合っている姿が見て取れて、心打たれる。

text;Hasegawa

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