2016年2月23日火曜日

冬の谷根千 三崎坂うえ観智院辺り

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI ; 30.1.2016

小雨降る日の谷中三崎坂。坂の上の観智院には初音六地蔵が祀られていて、境内は台東初音幼稚園も併設される。また初音ホールと日本声楽家協会の事務局もある。

観智院の住職・髙橋大海師は東京芸大大学院を卒業し、芸大教授を務められたあと、聖徳大学音楽学部長、東京芸大名誉教授など異色の経歴を持つ高名な音楽家とのこと。

門を入ってすぐにハゼと思われる大木がある。幼稚園の子ども達、かぶれなどは大丈夫なのだろうか。

2月22日は猫の日とのことで、世間ではあちこちでイベントが行われたようだが、谷中は毎日が猫の日。どこを歩いても猫に出会う。三崎坂上には招き猫の谷中堂もある。






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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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2016年2月20日土曜日

『サウルの息子』 監督 : ネメシュ・ラースロー

◎TOKYO PHOTO SAUL FIA/SON OF SAUL; 2.2016

極限の恐怖は人間の感情を凍らせるという。
映画のラスト。凍りついた主人公サウルの表情に微かな変化が生じる。森影から偶然に現れたひとりの子どもを発見したときだった。その表情の一瞬の人間的な変化が、あまりに暗く重く辛いこの映画の、唯一の「救い」だった。その直後、ビルケナウ収容所から逃亡したサウルたちを追うナチス・ドイツの銃声が森に響き渡り、画面は最後に暗転する。

1944年10月。強制収容所内でユダヤ人の死体処理を行う特殊部隊ゾンダーコマンドとして従事する(映画ではArbeitと発音していた)ハンガリー系ユダヤ人のサウル。カメラは徹頭徹尾、そのサウルひとりの動きに密着し、彼の背景にいる大量のユダヤ人と累々とした死体(あるときはガス室で、あるときは焼かれる)は極端にぼかして表現する。技術的にこの映像はかなり難しいはずだ。それを可能としたのは、極限の恐怖をひとりの表情に凝縮させた監督ネメシュ・ラースローの、ホロ コーストへの怒りの執念と、虐殺された人々に対するレクイエムの念だと感じた。

「息子」とはガス室で生き残った少年のことであり、この映画ではサウルの本当の息子であるかどうかは明らかにしない。だが、ナチスによってすぐに処刑されてしまう少年を(いや我が息子を)サウルは手厚く葬ろうとラビ(ユダヤ教の聖職者)を捜して奔走する。映画のラストに暗示的にあるように、微かな「救い」を、サウルはこの「息子」に求めていたのかもしれない。

息子(少年)一人のいのちがいかに重いか。多数のユダヤ人たちのいのちがいかに軽く扱われたか。この対比性が、決して忘れてはならない歴史があることを観るものに強烈に迫る。対比的に描いているところが他にもある。酔ったナチス・ドイツの将校たちが、ふざけてユダヤの踊りをケラケラと笑いながら真似をするシーン。恐怖以外のいっさいの表情を抑えた映像だけに、人間性を喪失した者たちの冷酷さを際立たせる、優れた映像表現となっている。

アウシュビッツ解放70周年を記念して製作されたハンガリー映画。2015年・第68回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。


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2016年2月16日火曜日

冬の谷根千 谷中の三崎坂を上って

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI ; 30.1.2016

谷中コミュニティセンターと初音防災広場から三崎坂に出る。左手にさんさき坂カフェがあり、前には谷中小学校が。三崎坂を上っていくと、左手に長久寺、全生庵、明王院。反対側に妙圓寺、妙法寺、天龍院、本通寺、龍谷寺、永久寺と続く。谷中の中でも特に寺の多いエリアである。

先日、天龍院と本通寺の間を入った奥まった場所で火事があった。狭い道なので三崎坂からホースを引っ張って消火にあたったのだろう。

谷根千エリアでも冬になると毎年のように火災が発生している。車の入らない狭く入り組んだ路地で火災が起こらないように、地域の人達が、“火の用心”と拍子木を打ちながら夜回りしたりして、地域を挙げて取り組んでいる。






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2016年2月15日月曜日

冬の谷根千 雨上がりの日

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI ; 30.1.2016

谷中の入り組んだ路地。すれ違うほどに狭く、人の温もりをいつも感じることができて、他にはない楽しさがある。

よみせ通りの、今は閉店してしまった春木屋さんの脇の路地を入っていくと、昨年オーブンした宿泊施設“hanare”がある。その先に“茶の間”という時々開いている雑貨屋さんがある。

“hanare”は古い民家を改装して出来たHAGISOの姉妹店。HAGISOも古民家をリノベーションして出来たカフェだが、落ちついていてのんびり過ごせる。映画上映や企画展なども開催されていて、いつも若い人が集っている。

その間を右折すると初音児童遊園と「みしま地蔵尊」に出て、その先には谷中コミュニティセンターと初音防災広場。







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2016年2月10日水曜日

冬の谷根千 谷中墓地あたり

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI ; 30.1.2016

毎日おじゃまする谷中墓地。ここを歩くと何故かホッとする。静かだし自然がたっぷりだし。暗くなって歩いても、少しも怖くないのが都会の真ん中にある墓地ならでは。

秋に一面を黄色に染めるイチョウの巨木も、いまは寒々しい枝振りを見せている。あちこちで見頃を迎えているのは梅の花。

この時期、夜8時頃になると修行中のお坊さんが集団で、木魚を叩いて「南無妙法蓮華経」と念仏を唱えながら通るのに出くわす。

今月の19日には谷中4丁目の瑞輪寺で荒行僧による水行式が行われる。


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2016年2月9日火曜日

冬の谷根千(2)

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI ; 30.1.2016

六阿弥陀道(ろくあみだみち)には、青雲寺や修性院など谷中七福神としてもおなじみの寺があり、その向かいにはかつて酒屋さんだったと思われる建物もある。黄桜の古い看板がレトロ。

谷根千界隈はこのところ家の建替えが進んでいる。歩いているとあっちもこっちも建築中。昔ながらの古い建物は地所が広く、そこにマンションや小さな数個の戸建てが建つ。都心に出るにも便利で、下町風情の残る落ちついた寺町エリアは若い人にも好まれるのだろう。古い建物を見ると次はここかも…と思う。残す方法は考えられないものか。

富士見坂を上って、養福寺の六地蔵に手を合わせる。六地蔵とは六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)のそれぞれにあって、衆生の苦悩を救済する地蔵菩薩のことという。いつの世にも苦悩は多い。

谷中には他にも…観智院には端正な初音六地蔵、明王院にも六地蔵はある。


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2016年2月3日水曜日

冬の谷根千(1)

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI ; 30.1.2016

冷たい雨が続いた。やっと雨があがったので谷中をぶらり。よみせ通り、へび道を通って、上野桜木の方まで。

「上野桜木あたり」は、古民家を再生して出来たレトロ感たっぷりの複合施設。ビアホール、手作りパン、塩とオリーブオイルのお店とヴィンテージのアパレルショップなどが入っていて、カップルや小さな子ども連れなど若い客が多い。

毎日歩くよみせ通りも、長雨の後は、いつもと違うすっきりとした空気感が漂う。






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2016年2月2日火曜日

赤城神社から印刷博物館、川口アパートメント前へ

◎TOKYO PHOTO FROM BUNKYOKU TO KAGURAZAKA ; 16.1.2016

神楽坂の赤城神社境内では休日のこの日、月一回の手作り市「あかぎマルシェ」が開催されていた。アクセサリーや絵本、カード、布雑貨や和小物など小さなお店には、手作りのこだわりが感じられる品々が並んでいる。

赤字神社の裏手の急階段を下っていくと、築地町、西五軒町と印刷関係の会社が数多くある。東五軒町には、書籍や雑誌など出版物の取次販売をするトーハン本社があって、建物も古くて独特な造り。

首都高速池袋線の下をくぐって神田川を渡ると、目の前に凸版ビルが。休日でも開いていた印刷博物館を見学してから、今度は坂を上って文京区春日2丁目へ。

ヴィンテージマンションとして名高い川口アパートメントの前に出た。このマンションは直木賞受賞作家の川口松太郎さんの自邸を兼ねて立て替えたマンションとのことで、築50年を経ている。今あちこちに建っているタワーマンションや新築マンションに比べ、どっしりゆったり、こだわりもたっぷりといった感じ。




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2016年2月1日月曜日

神楽坂の路地裏をぶらり

◎TOKYO PHOTO FROM BUNKYOKU TO KAGURAZAKA ; 16.1.2016

神楽坂は中心の早稲田通りから一本、二本と奥に入ると、風情ある石畳の路地が入り組んでいる。路地にふさわしい落ちついた風格のある名店がここそこにあって、歩くだけでも楽しい。

かくれんぼ横丁では、黒塀に囲まれた高級料亭やケーキ屋さん、イタリアンレストランなど、入りやすい店、入りにくい店といろいろ。

早稲田通り沿いの善国寺を見て、神楽坂駅を過ぎて赤城神社まで。





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